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 平素は当神社の護持運営につきご協力を賜り厚く感謝申し上げます。

 八坂神社は素戔嗚尊いわゆる天王様をお祀りする守谷市一帯の氏神様です。祖先から受け継いできた深い神様への信仰心と、連綿と続いてきた伝統と歴史に対する感謝と誇りの気持ちがこのように地域をお守りする氏神様をお祀りし、大切に守ってきたと言えます。
 皆様のお住まいになる地域には神社はありますか?昔はひとつの地域に必ず神社が存在しました。私たちは地域の神社を通し、日本人としての生き方を学びました。例えば、神社は信仰から生まれる道徳心を育む場所です。また、お祭を通して地域という共同体を育む場所です。信仰と祭り。その根底を流れるものはなんでしょうか?

日本人にとっての祈りと祭り

 雪降る中で静かに手を合わせる女性、お祭で雄々しい姿で叫ぶ若者。一見して相反する姿でも、両者とも神様に祈りをささげています。日本人にとって祈りとは祭りをすること。日本人は古くから神様に祭という表現方法で感謝の念を表してきました。人生儀礼。年中行事。ときに静かに、ときに荒々しく。しかし、それら全ては感謝をすること。人は自然の中に感じる八百万の神々に祈りをささげ、自然の中で生かされていることに感謝し、その中から日本人としての道徳心を育んできました。

東日本大震災から復興へ

 一枚の写真を紹介します。宮城県亘理町に鎮座する川口神社のお神輿です。津波で流されたお神輿です。震災復興支援に伺った時に修復されたお神輿がお披露目されていました。震災後、困難な状況でも被災地の方々は祭りを行いました。震災発生時、世界は略奪や暴動を起こさない日本人に心からの敬意を表しました。食べ物を分かち合い助け合いながら共同体を保とうとする日本人を『一体』と言う言葉を使い報道しました。それらは神道などの影響で日本人は個と同時に地域社会を考慮すると言及していました(ABCニュース)。私たちにとって当たり前の行動も、祖先から受け継いできた大切な財産であることを気づかされました。

中今(なかいま)を生きる私たち

 神道には中今(なかいま)と言う考え方があります。私たちには過去があり未来があります。私たちには親がいて子供がいます。私たちには祖先がいて子孫がいます。中今を生きるとは、『今生きている私たちが、その永久に続いている命の繋がりの中の「今」を生きている』という考え方です。例えて言うならリレーです。私たちは過去から、親から、祖先からバトンを託されます。バトンには日本人としての生き方、考え方、伝統、文化など大切なものが託されています。そのバトンを中今の私たちが未来や子供や子孫に受け渡して行くと言うことです。
 私はもともと社家ではありません。25歳の時に、当時の宮司が跡継ぎを探していました。縁があってお話しをいただき宮司を拝命し現在に至ります。今でも聖職者の厳しさと神道の素晴らしさを日々感じています。25歳の頃、忘れていたかもしれないこの素晴らしい日本人の考え方を中今を生きる一人として伝えていければと思います。
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